衆議院で強行採決された組織犯罪処罰法改正案。
いろいろな人がいろいろな思惑で略称で呼びますが、いわゆる"テロ等準備罪”もしくは"共謀罪”です。
私としては、テロとは関係ないところまで対象を広げすぎ監視傾向が強まるのではないかと懸念もありますが、一方でテロ対策は今のままでよいとは思いません。
残念でならないのは、テロ対策のための法案であったはずなのに、我が国がこれからどうやってテロを防いでいくかという議論がほとんどされなかったということです。
答弁がしどろもどろな大臣や、カレーやきのこなど矮小化された例示が目立った野党、その結果殆どの国民がよく理解していないという世論調査にも表れていると思います。
国民にとっては最悪の結末と言わざるを得ません。
そんなやりきれない思いの中、とても良くまとまった記事を見つけましたのでご紹介します。
▶日本のテロ対策は英国流・フランス流のどちらすべきか:上久保誠人
テロ対策先進例には大きく分けて英国流とフランス流があり、日本はどちらを(あるいはどのようなミックスを)選択していくのか、という議論が必要だったということです。
詳細は記事をご覧いただければと思いますが、英国流とフランス流の大きな違いは、
「ロンドン市内や空港には「自動小銃を持った警官」の姿がほとんど見られないが、パリ市内や空港には多数の警官や武装兵が立ち、警戒しているということ」だそうです。
つまり、英国では
「警察・情報機関が、国内外に細かい網の目のような情報網を張り巡らせ、少しでも不穏な動きをする人物を発見すれば、即座に監視し、逮捕できる体制が確立されている」のだそうです。
英国は「監視社会」です。
英国内には約420万台の監視カメラが設置されていて、ロンドン市民が普通に生活していて1日に監視カメラに捉えられる回数は、平均約300回!だそうです。
今回衆議院で強行採決され、今参議院にお売られている自民党案は、どちらかといえばこの英国流の監視を強める対策です。対する民進党の対案はフランス流のものでした。日本において、武装した警官がそこら辺にいるフランス流も想像しにくいですが、監視を強める英国流が本当に受け入れられるのかというと疑問を感じます。
こうしたところこそ、議論が必要だったはずです。
良識の府、参議院での議論を期待したいですが、果たしてどうなるか・・・。
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