伊勢志摩サミットの翌日の27日、オバマ大統領が広島を訪問しました。
原爆を投下したアメリカの現職大統領が、被爆地である広島を訪れるのは初めてのこと。
歴史的な訪問として大々的に取り上げられ直後の世論調査でも、95%以上の方がオバマ大統領の広島来訪は良かったと評価していました。
「駆け引きのない世界を」
「文明の歴史は戦争で満ちている」
など、印象的なフレーズが散りばめられた演説は、さすがオバマ大統領の演説でした。
プラハ演説でも訴えた核なき世界への思いがこの被爆地広島という地と相まって、格式高い中にも将来への希望が感じられ、本当にぐっときました。
その中でも私が特に印象的だったのは「暴力的な競争はすべきでない」という内容。
誰かが核兵器を持てば、抑止力のために他の国も核を持つということはよく聞かれることです。
私がカンボジアで小型武器回収の活動をしていた時、紛争が終わったはずのカンボジアの人たちが武器を持つ一番の理由が「隣の家がまだ武器を持っているから」というものでした。このいわば暴力的な競争がある限り、小型武器の根絶はできないと思い知りました。
国際社会にあっても同様です。
ある国が軍備を拡大すれば他国も拡大せざるを得ないことは現実です。
だから夢見がちな「日本は丸腰になっても戦争しないべきだ」という非武装論には私は与しません。しかし、現実的なプロセスを踏みながらも、「戦争は繰り返さない」という壮大な理想を長い時間がかかっても目指していかなくてはいけないのです。
確かに任期がまもなく終わるオバマ大統領だから実現できたことかもしれません。しかし、これは大きな一歩になると信じたい。
あとは私たち、そしてその次の世代が協力してこの長い理想への道を現実化させていきたいと思います。あくまでも現実的に。
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