長らく一強多弱といわれた日本の政治。
通常国会が閉会した6月、2つの理由で少しずつ状況が変わってきました。一つ目は、共謀罪の強行採決でした。「禁じ手」といわれる中間報告という委員会決議をすっ飛ばす方法で、まさに異例中の異例の強行採決を行い成立させました。審議を尽くしたと言いますが、参議院での審議はわずか17時間です。しかも大臣の答弁はしどろもどろ。
どこまでが共謀罪として問われるのか、一般人が対象になることはないのか、テロとは関係のないことまで含まれているのではないかなど、国民の大部分がわからないことが多いまま強行採決され、国民の不信感が募っています。
そして二つ目の理由であり、また強行採決せざるを得なかった背景ともいわれている加計学園の問題。
獣医学部の新設にあたり、安倍総理の意向で、安倍総理の腹心の友が理事長を務める学校法人に便宜が計られたのではないかという疑惑が指摘され、国民の7割以上が総理や政府の説明に納得できないとしています。
事の本質は、獣医学部の新設が「なぜ」同じく手を挙げていた京都産業大学ではなく加計学園に認められたのか、の一点です。
これさえ説明できれば疑惑はすぐ晴れるはずなのに、総理も官房長官も説明を避け、出てくる資料や証言はまるで総理の意向で実質加計学園しか手を挙げられないという状況を作ったのではないかというものばかり。
森友学園の時もそうでしたが、例えば安倍昭恵夫人の寄付の問題などでも「証拠がない」と夫人の証人喚問も記者会見も行わない、証拠である文書が出てくれば出所がわからない怪文書だと言い、出所が明らかになれば全国紙の一面で個人攻撃を行い、記者会見で真摯に説明すると言いながら今度は獣医学部を全国に作ればいいという・・・。
本当にもう、信頼も何もあったものではありません。
私たちが政治家に託すことは、日本の未来を明るくすることです。
しかし、残念ながらというか、当然ながらというか、日々忙しい毎日を暮らしている国民の皆さんは、全ての政策についてよく知り、意見を持ち合わせているわけではありません。
仮に持っていたとしても、それがどこかの政党や自分の選挙区の政治家とぴったり符合するなどということはあり得ないことです。
だからこそ、選挙で大切なことは、「立候補者の中で誰がよりまともな感覚で、当たり前のことをしてくれそうか」という視点で投票することだと思います。
特に小選挙区制度になってから、どうしても選挙の際政党のイメージや政党のリーダーで選ぶ傾向があります。
そうすることによって確かに政権交代は実現しやすくなりました。
しかし、そうすることによって政治家は、自分の考え方を持つよりも政党の主張を繰り返し、風に頼んで聞こえのいいことを言い、結果的に小粒になっていきます。党に反対してでも正しいと思うことを主張する大物政治家や、口だけでなく結果を出す政治家が少なくなってきていることは、みなさんもお感じのことだと思います。
政党のイメージで投票するだけだったら、政治家など誰でもよく、全部比例にして政党名だけで選挙をすれば良いことになります。
「きっとまともな判断をしてくれるだろう」という信頼感こそ大事です。
私はまだまだ若輩者で、国政での経験もありません。だからこそ有権者の皆様から「きっとやってくれるだろう」と思っていただけるように、信頼を勝ち得ていきたいと思っています。
読者コメント