天皇陛下がかなり踏み込まれたお気持ちの表明をされてから早半年になろうとしています。
天皇陛下が自らのお言葉で国民に向かってお気持ちをお話になるなんてことはなかったことですから、これはとても大きな意味を持ちます。
そこから検討が始まった天皇陛下のご譲位の話ですが、時系列や関連ニュースなどはこちらを御覧ください。
特設 天皇陛下お気持ち表明(NHK)
(お言葉を述べられる天皇陛下。画像は宮内庁HP)
最近のNHKのこうした特設サイトはとてもいい作りです。
政府は「静かな環境での議論を」という言葉を使って、明らかに論戦を避け有識者会議の提言に従う道筋をつけたいと考えています。
そしてその有識者会議には政府の意を汲んだいわゆる保守派の専門家がズラリ。
結果はやはり「今上陛下一代に限っての退位を可能にする」方向に。
私はもとより、天皇陛下やご皇族を心から尊敬しており、日本の国柄の背骨となる大切なご存在だと考える、いわゆる保守の考え方を持っています。
だからこそ、今回"保守派”を代表すると言われる方々が今上陛下のお気持ちよりも制度を重視するかのような言動に、とても違和感を感じます。
陛下がお話になったお気持ちは、誰がどう聞いても「自分はもう高齢だから公務に支障が出るから退位したい」という個人的なお気持ちではありませんでした。
「今の制度では、将来にわたって天皇が高齢になり公務を行えず譲位もできないという状況が繰り返されるから制度を見直してもらいたい」というお気持ちだったと思います。
それを一代に限っての退位を認めるということは、今上陛下の個人的なご希望を特例として「認める」ということになってしまいます。どれだけ上から目線なんだろうかと。
今上天皇陛下のただのご希望ではなく、天皇制や皇族そのものをお考えになったお気持ちを汲んでいくのが真の保守派であると思います。国会も始まりましたが、しっかり議論していただきたいです。
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