げんまけんたろうの視点「一隅を照らす」

2016年09月号 vol.19

築地市場 豊洲への移転問題

2016年09月30日 10:51 by gemmakentaro

東京都の小池百合子新都知事が誕生して間もなく2ヶ月が経とうとしています。

就任直後からマスコミを賑わせ、高い支持率を得ている小池知事の肝いりと言ってもいい築地市場の豊洲への移転について。

 

(東京中央卸売市場HPより)

 

私はこの豊洲移転について、拳を振り上げたはいいが着地点が見いだせなくなってきてしまっているんじゃないかという印象を持ってきました。

当初11月7日に移転の予定を、2年間のモニタリング調査の最後の一回がまだ実施されていない状況で移転するのはどうか、ということで小池都知事が移転の延期を発表しました。もちろん選挙戦で「豊洲移転については一旦立ち止まる」としてきたので、公約も考慮して延期し、モニタリング調査が無事終わったら移転、という腹だったんだろうと思います。

 

しかし、その後共産党都議団が建物の下に地下空間があることを知り、「盛り土があるはずではなかったのか!手抜きではないのか!」と追求しそうな状況になり、急遽知事が自ら発表してしまおうということで緊急記者会見が行われ、マスコミはこぞって「伏魔殿」「ブラックボックス」「隠蔽体質」と騒ぎ立て、誰が許可したのか、誰が知っていたのか、などとまるで犯人探しの様相を呈しています。

 

冷静に考えてみると、そもそも豊洲への移転に反対だった人たちはその安全性と利便性をあげていました。

安全性についてはこれまでもモニタリング調査をしてきているし、今回の地下空間の水と空気も安全性は今のところ問題ないということが明らかになりました。利便性については詳細については控えますが、利用者と都で調整していけばいい話です。

 

公約を考慮してひとまず延期したとしても、安全性を再確認して「安全性は確保できたので移転します」で済ませるつもりが、予想していなかった成り行きになってしまっています。

 

現在マスコミが挙って取り上げている豊洲の問題は「地下空間があるなんて知らなかった」ということです。

これは安全性の議論とも利便性の議論とも関係のない話です。建築上も問題がないことを何人もの専門家も指摘しています。

もはや「情報公開がされない都の体質」が主になってしまい、移転の是非とは随分かけ離れた議論になってしまっています。

 

これから小池知事がどう着地点を見出していくのか、おそらく非常に苦慮されていると思いますが、安全性の議論と都の体質の議論を切り分けて、理性的な判断をしてもらいたいものです。

しかも、移転延期で損害を被っている業者も多くいると聞きます。一日も早い決着を期待したいと思います。


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