次に、この建設中の小学校の認可に至る問題です。
学校法人森友学園は、この土地に「瑞穂の國記念小學院」という私立小学校の今年4月の開校を目指しています。
私立学校の設立には都道府県の認可が必要ですが、開校まで2ヶ月をきった現在も認可はされていないようです。大阪府によれば、最終的な認可を出す前に「認可適当」という結果が審議会で得られれば、最終的な認可は開校直前になることは珍しいことではないということです。
つまり、審議会の「認可適当」という決定が事実上の認可につながるというわけで、事実上の認可は大阪府から下りているということになります。
一般的に学校設立の認可は非常に厳しいと受け止められています。
例えば建設する土地をきちんと取得していることや、大阪府では安定的な学校運営のために小学校や中学校の運営実績がある法人以外は借入金による開設はできなことなどがありました。ですから、財政基盤が弱く国有地を借地契約で建設しようとして認可適当になったことは相当異例なことといえます。
実は、森友学園の要望によりこの「借り入れによる開設の不許可」という条件が緩和され、申請に至ったという事実も明らかになりました。大阪府は便宜を図ったわけではない、としていますが、このタイミングで、しかも規制緩和後森友学園からしか申請がないということを考えても、不自然と言わざるを得ません。
また、特例で借地契約で認可相当とされたこの土地ですが、実はそれ以前にも怪しい動きがありました。
弁護士である郷原信郎氏のブログに見るように、実はこの土地は平成24年に一旦新関空会社に売却されていたことが明らかになりました(郷原信郎が斬る)。
もともとこの一帯は伊丹空港の離着陸ルートにあたり、昭和53年ごろに騒音対策地として国が買収した土地だった。
その後、騒音が軽減されたとして、平成24年7月、この騒音対策地は「国(運輸省)」から「新関西国際空港株式会社(新関空会社)」に売却されている。
一昨年、豊中市が同じ騒音対策地から、学校給食センターの建設用地として、7210平米の土地を購入しているのだが、この時点での土地の所有者は「新関空会社」だから、豊中市は当然「新関空会社」に購入費を支払っている。金額は7億7000万円。
問題は、その後に書かれている指摘だ。
これは何を意味するかというと、国有地が一旦は新関空会社に現物出資されたことになっていたが、それは「錯誤(まちがい)」であったとして国が取り戻した上で森友学園に安価に売却されるという明らかに特別なはからいがあったということです。森友学園が小学校用地として購入した土地の登記を見ると、平成24年7月に、所有者が国から「新関西国際空港株式会社」に移転。
ここまでは豊中市が購入した土地と同じだ。しかし、平成25年1月10日、なぜか「錯誤」を理由に所有者が抹消され、その上、なぜか所有者が「国(国土交通省)」に戻っているのだ。
こうした問題を踏まえ、またメディアでもようやく取り上げられ始めたので、大阪の私立学校審議会も最終的な認可の判断が難しくなってきていると思います。
当初から教育内容や財務体質に疑義があり、異論が出ていたそうですが突然これまた異例の臨時審議会が開催され、「認可適当」が決定したという経緯も、やはり不自然であると言わざるを得ません。
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