まずは今回の問題の中核である国有地の売却価格について。
森友学園が国から購入した国有地の価格は、当初非公開とされてきました。
国有地の売却額は、その透明性と公正性を図るため原則公開となっており、実際財務省が2014年から2016年度までの国有地売却693件のうち非公開とされていたのは森友学園ただ1件でしたが、これがそもそもおかしい話です。
この問題がクローズアップされ豊中市議が金額の開示を求めて大阪地裁に提訴したことを受けて一転明らかにしました。
これがまず第一点。
国有地を巡って学園はいくら支払ったのか。国庫に入った金額はいくらなのか。
この豊中市にある土地は約8770平方メートルで、不動産鑑定による評価額は9億5600万円です。
この土地を当初森本学園は国から賃貸し学校建設をはじめました(これも通常ではありえないことです)。2015年7月に森友学園が敷地全域の深さ3メートルの地下からゴミが出たとして1億3400万円かけて撤去。この費用を大阪航空局から受領しました。
ところがその後、2016年3月になって学園側は「地下にさらに大量のごみがある」と国に報告しました。
このタイミングでなぜか学園は借地はやめてやっぱり買いたいと、一転して土地の購入を希望。これを受けて財務局は鑑定価格9億5600万円からゴミ撤去費として8億1900万円を値引きした1億3400万円で売却したのが流れです。
しかもこれは10年間の分割払いでこれも異例。過去に国有地の売却で当初は借地契約→途中で売却→しかも分割という例は、たった1例もないということ。
国はつまり、最初のゴミ撤去費用として1億3200万円を学園に支払い、鑑定価格の9割引き以下の1億3400万円で売却したということは、差し引き200万円ほどしか国庫に入っていないということになります。
9割引きの値引きは妥当か(違法か合法か、ではない)
ここで一番の問題なのはこの値引き額の妥当性です。
国会の審議では、この額は法に則って適正にやっている、としか答弁がありませんでしたが、なにを根拠に8億の値引きが決められたのでしょうか。
財務局によると、9メートルの深さに混入率47%以上の埋設物がありそれを除去する費用として見積もった、ということです。
9メートルの深さも、混入率も、すべて学園の言い値です。国会の審議で明らかになりましたが、国はこのゴミの量も、そしてどんなゴミであったかも確認はしていないとのこと。
そしてこの見積もりは出てきたゴミがすべて産業廃棄物であった場合の費用らしいですが、国はこれも確認せず。また下請け業者からの家庭ごみなどが多かったという証言もあり非常に怪しいところです。
見積もりは国が自ら作った
しかも、当然見積もりを作る場合には実際にその作業をする業者なりに依頼するのが筋だと思いますが、なんと国は自分で見積もりを作成。
民間企業でも、何か工事の費用を見積る際には実際に工事ができる業者に見積もりを依頼するはずで、なんにも関係のない例えば文房具屋さんに見積もりを依頼したり、ましてや自分たちで作ってしまう、なんていうことはないはずです。
その他にも違法とはいえないけれど信じられないことがたくさん
まだまだあります。
この土地の隣の国有地は、ほぼ同じ面積でしたが豊中市に14億円で売却されています。
さらにはこの当該の土地を巡っては、別の学校法人は5億8千何円の購入価格を提示しましたが、安すぎると却下されたということです。
なぜ、こんな不適切で不可解な値引きがされ、森友学園にだけ異常な配慮がなされたのか。
ここを解き明かすことが肝心で、国民もこれが解明されない限り疑念を払拭できないのではないでしょうか。
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