6月26日に三重県で行われた伊勢志摩サミットが終了しました。
今回のサミットでの最重要課題は世界経済であると事前から言われており、どのような議論がされるのか注目されていました。
日本は議長国でしたので、それぞれの国が抱えている経済状況やその国益をうまく調整し、どのような声明を出すのかに着目していましたが、経済については随分とちぐはぐな内容となりました。
まず第一に安倍総理がG7の首脳に「リーマン級の世界的危機が再来するリスクがある」と訴えましたが同意が得られませんでした。
アメリカオバマ大統領もイギリスのキャメロン首相もドイツもメルケル首相も、「成長の兆しが見える」「危機ではない」「不安を煽るべきでない」として軒並み反論し、結局首脳宣言にも載ることはありませんでした。
しかしそれにしても安倍総理が根回し無しにこんな発言をしたということに疑問を感じます。「リーマン級」発言のためのデータや資料は経産省が作ったんだ、などという話も出ていますが(実際のところはわかりませんが)、それにしてもお粗末でした。
総理が「リーマン級」にこだわったのは、もちろん「リーマンショックや東日本大震災のような事態にならないかぎり消費税増税の再延期はない」との自らの発言が脳裏にあるためです。
いまや既定路線になりつつある消費税の増税再延期をする際に、「アベノミクスはうまく行っているけど、今はリーマン級の危機で仕方がない。サミットでもそう合意された」と言いたい感が「リーマン級」の言葉にこだわったせいであからさまになってしまっています。
私は今、消費税を増税すべきではないと思っています。
政治家はとかく過去の自分の発言をも正当化しようとしますが、「前回の判断は間違っていた。やはり再延期する」と潔く説明したほうが国民の皆さんの理解を得られるんじゃないでしょうか。
いずれにしても国会会期末の6月1日には何らかの声明が出されますが、自分の正当化よりも国民への説明を優先させてもらいたいと思います。
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